Once upon a time
昔むかし、あるところに草エンデューロに明け暮れたバイク乗りがおったそうな…
1985年頃、XT200との生活に、新たな楽しみが増えました。
それは、市販車トレールバイクのワンメイク耐久エンデューロレースです。
バイクブームは、ますます燃え上がり、各メーカーはこぞって会員組織を作って、
ライダーの囲い込みに力を入れていた時代でした。
ホンダは、H・A・R・T
ヤマハは、Y.E.S.S.
スズキは、JAJA-UMA CLUB
カワサキは、KAZE
今、残っているクラブは、カワサキのKAZEだけですね。
エンデューロ全盛期の時代は、カワサキKDXがダントツに速くて、エンデューロ会場は、
ライムグリーン一色に染められていた時もありましたが、
国内4メーカーの中で、当時から現在まで、一貫して一番オフロードに力を入れている国内メーカーは、
YAMAHAだと思います。
そんなYANAHAが、当時主催していたイベントが、「オフロードライディングスクール」(通称:オフライ)でした。
これは、スクールという名前の通り、Y.E.S.S.会員なら誰でも参加料を払えば、本格的なオフロードコース(RS Taichiのモトクロスコースが多かったです)で、インストラクターからオフロードライディングの基本テクニックを教えてもらえて、そのレッスンの後、機種別(4stのXTクラスと、2stのDTクラス)に、模擬レースが行われる…という、ホスピタリティ溢れるイベントでした。
このイベントも、回を重ねるに従ってレースのレベルが上がっていき、参加者やショップの希望もあり、
それまでの模擬レースから、二人一組でチームを組んで、1時間程度を走る耐久エンデューロレースが
中心のイベントに進化して行きました。
このレースに入賞すると、小さなトロフィーや賞品がもらえることもあって、
皆んなホントに真剣に参戦していました。
レースの前日になると、ショップに集まり、
皆んなでワイワイやりながら、オイル交換をし、
タイヤ交換をし、チェーン調整をし、エアクリーナーに
オイルを含ませ、スプロケのファイナルを変え、
キャブのジェットを変え、フォークオイルを替え、
ダンパー調整をして…。
ショップでは、常連客が自分で整備ができるようにと、
場所と工具をフリーで貸し出してくれていました。
今では、こんな店、ありませんよね。
そして、明日のレースは誰と誰がチームを組むかを決め、作戦会議をして、
夜が更けるまで盛り上がっていました。
今から思えば、レース結果なんてどうでもよくって、この時間を過ごすことが楽しくて、
レース後には、誰がどこでコケたやら、あのジャンプを飛び過ぎて斜面に付き刺さったやら、
カメラ目線を送っているスキに抜かれたやら、トホホな話でまた一日盛り上がる…
こんな時間のことを、世の中では青春の日々って言うんだと、
その当時は誰も気づいていなかったんですけどね。(笑)