あーあ、今日から連休だというのに、また雨です。
そんな日は、また昔の思い出話などを…(笑)
22年ぶりに訪れた礼文島も、今日のようなどんよりとした、低い雲に覆われていました。
香深港から東海岸沿いの道道40号線を北上します。
島の人には失礼なんですが、自分の記憶は22年前で止まっているので、
道の途中に、セイコーマート(北海道のコンビニ・チェーン)があって、ビックリ。(笑)
当時の道路沿いには、よろず屋さんみたいな店しか無かったんで…
早速、セイコーマートで、インスタントラーメンと、おにぎりと水を仕入れました。
いきなり、キャンプ?
いえいえ、礼文島を旅した方なら、みなさん知っている(と思う)「愛とロマンの8時間コース」を、
娘と歩こうという企画です。(笑)
礼文島の東海岸には、北と南をつなぐ整備された道路があるのですが、
西海岸にはほとんど道が無く、草原の丘や、断崖絶壁や、ゴロタ浜などが続いています。
この道なき道を、8時間かけて、北は日本最北限のスコトン岬から、
南は元地集落の地蔵岩までの約30kmをトレッキングするというイベントです。
(現在は、安全上の問題から、礼文林道までのコースとなっているようです)
イベントといっても、開催日が決まっている訳ではなく、
ユースホステルや民宿ごとに、見知らぬ宿泊者同士が、時には助け合い、時には励まし合い、
早朝から夕方まで、礼文島の素晴らしい自然を体験しながら、ひたすらゴールを目指して歩くだけ。
<当時の写真>
でも、ひとつの目的に向かって、協力し合いながら歩くことによって、いつしか友情が愛に変わり、
ロマンスが生まれるとか、生まれないとか…
実際、このイベントを通じて知り合い、結婚したカップルもたくさんいるらしいです。
確かに、22年前に、この道をみんなで歩いて、夕陽に照らされた地蔵岩に、
みんなで手をつないでゴールした時には、なんとも言えない達成感があったのを覚えています。
<当時の写真>
まあ、残念ながらこの時、愛もロマンも生まれませんでしたがね…(笑)
今回は、島に渡ったのが昼前の時間だったので、とても8時間を歩き通せるわけもなく、
また、歩き通す気も更々なかったのですが、手つかずの礼文島の自然を味わうには、
絶好のコースなので、娘と行けるところまで行って、戻ってくるっていう計画です。
そういう訳で、バイクで出発点のスコトン岬まで行って、歩き出す準備を始めていると、
娘は、「日本最北限から、うちに絵ハガキを出す!」って言うんで、ますます出発は遅れますが、
まあ、急ぐ旅でもなし。
手紙を書き終わったら、「日本最北限のトイレ」で用を済ませて、デイパックに簡単な調理器具と、
食糧と水を詰めて、てくてくと歩き出しました。
この頃になると、低く垂れこめていた雲も流れて、少し青空が見えて来ました。
雲の間から差して来た陽の光を受けると、今まで濁って見えた海の色が、「礼文ブルー」に輝き出します。
そんな海を見て、娘は、「とーちゃん、すごいな、この色!」と、はしゃいでくれています。
前回の北海道ツーリングでも、とにかく酷い雨にやられているので、
娘にとって、旅の空が「晴れている」ってことが、一番の喜びのようです。
アップダウンを繰り返す、緑色の絨毯のような丘の途中で、お湯を沸かして、ラーメンを作りました。
海から吹き上げて来る風を受けて、久しぶりの陽の光を浴びながら、ふーふーと鍋からラーメンをすする。
こんなささやかなひと時を過ごすことが、この島の楽しみ方だということを、
なんだか娘はわかってくれているようです。
「この場所、気に入ったわ」と、お墨付きをもらったので、
また、来た道を、少し傾き始めた陽ざしを浴びながら、バイクを停めた北の岬まで、歩き始めました。
バイクに乗っている間は、あまり話が出来ないので、ゆっくりと歩きながら、あんなこと、こんなことを、
ケラケラと笑いながら話していると、これが自分にとっての「愛とロマン」なのかも知れないな…、
なーんてことを思ったりして。(笑)
当然、そんなことは娘には言えませんけどね。(爆)