先月、発売予告されたSONYのレンズ交換式のAVCHDビデオカメラが、
ついにアメリカで9月に先行発売されるというニュースが入って来ましたね。
「NEX-VG10」というネーミングも決まっていて、
先月発売されたミラーレス一眼レフ・デジタルカメラ「NEX-3」「NEX-5」と同じブランド名が
冠されていますが、本体には「HANDY CAM」の文字がある通り、
あくまで「ムービーカメラ」であることを主張しています。
採用されるセンサーは、APS-CサイズのExmor APS HD CMOSセンサーで、
通常のビデオカメラの約20倍の大きさ。
解像度は、1,920×1,080のフルハイビジョンで、ビットレートは最高24Mbpsと、
まさにデジタル一眼レフムービーに匹敵するスペックですね。
モニターは、通常のムービーカメラと同じ折りたたみ式&180°回転式の3.0インチの液晶モニター
(92万画素)に加えて、ビューファインダーも付くので、一眼レフムービーよりもずっと撮影しやすそうな感じ。
フォルムの大きな特徴となっている本体の上部に付くステレオマイクは、
指向性の高い4つのマイクを集合させているらしく、「音」に対するこだわりを感じさせてくれます。
また、このマイクの取り付け形状が、ビューファインダーと、
プロ用のビデオカメラにあるハンドホルダーも兼ねるというユニークなもので、
これは5月に発表されたモックアップには無かった設計です。
レンズは、NEXシリーズから採用されたEマウントレンズの18mm~200mmが付属しています。
35mm版換算で27mm~300mmと、ビデオカメラとしてのズーム倍率をオールインワンレンズで
稼ぎたいようですが、F値が3.5-6.3では、綺麗なボケ味を求めるには物足りないスペック。
しかしながら、マウントアダプターをかませれば、今までのαシリーズのAマウントレンズや、
他社製のレンズも使用でき、F値の明るい今までの単焦点レンズも使えるので、
ボディ単体の販売が設定されれば、かなり幅広い使い方が楽しめそうですね。
また今回のアナウンスでは、レンズのズーム化については触れられていないので、
想像通り、ズームは手動ズームなのでしょう。
そして、フォーカスについては、一眼レフムービーのプアなオートフォーカスに比べて
どれぐらいの精度なのか、気になるところです。
静止画撮影は、1400万画素のハイスペックで、ムービーカメラながら絞り優先や
シャッタースピード優先モードも搭載されるようで、スティルカメラとしての機能も充実しています。
記録メディアはSONY独自のメモリースティックPRO Duo/PRO-HG Duoに加えて、
一般的なSD/SDHC/SDXCにも対応していて、32GBのメモリーカードでFHモード(1,920×1,080)で
4時間録画できるということです。
交換式レンズと、大型のAPS-Cセンサーで、デジタル一眼レフムービーと同じく、
鮮明でボケ足の長い映像を、ファインダーを覗きながら、がっちり撮れそうなこのカムコーダー。
今秋の日本発売が大いに楽しみです!
ちなみに価格は、2,000ドル。レンズ付属でこの価格は、なかなか戦略的な設定ですね。
丁度プロ用と家庭用の中間的な価格設定で、このカメラのポジショニングを物語っていると思います。
一方、EOS Kiss X4の大ヒットで、一眼レフムービーの裾野をぐっと広げたキャノンはどうかというと、
恐らくこの分野に進出したいのだとは思いますが、今までの銀塩一眼レフ時代からの財産である
膨大な数のEFマウントレンズ群があるため、なかなかミラーレス分野に進出できないでいる感じですね。
今回のSONYの動きが、市場でどう受け入れられるかは分かりませんが、
場合によってはSONY-αシリーズが、グッとシェアを高める可能性もありますね。