釣れ初めのタチウオは、体高(身の幅)が指2本~3本分しかなく、身の厚みもないので
塩焼きにするには、ちょっと物足りないですね。
そこで、この季節のタチウオの美味しい料理方法をご紹介します。
【夏タチの梅しそ揚げ】
1、釣ってきたタチウオの頭と尻尾(どこからが尻尾かが、よくわからない魚ですが…)を落として
ハラワタを抜きます。
魚の下ごしらえをする時、まな板の上にビニール袋を敷くと、臭いが移らなくていいですよ。
(ちょっと、シュールな写真ですが…)
2、タチウオを真ん中の背骨と、両側の身の三枚におろします。
身の薄いタチウオを三枚におろすのは、難しそうに思われますが、実はとっても簡単!
まず、ハラワタを抜いた腹側の身に、尻尾の方に向かって切れ目を入れます。
そして、背びれ側は、背びれの付け根の骨に沿って、包丁の先で切れ目を入れます。
こうして、タチウオの腹側と背びれ側に切れ目を入れたら、頭の方から包丁を背骨と水平にして
尻尾の方にスライドさせながら、背骨から身をはがしていきます。
ポイントは…
・包丁を背骨に押しつけながらスライドさせる。
・背骨からはがした身を引っ張り上げながら、包丁をスライドさせる。
・あらかじめ入れた上下の切れ目に沿って、包丁をスライドさせる。
・包丁は「柳葉包丁」などの薄くて、歯渡りの長い刺身包丁を使う。
こうすると、キレイに三枚におろすことができます。
3、梅干しは、種を取って包丁でペースト状になるまで叩き、
大葉は、タテ1/4に切っておきます。
4、三枚におろしたタチウオの身に、小骨が残っていると食感が悪いので、指で触ってみて
骨があればスキ落しておきます。
こうして下処理の済んだタチウオに、叩いた梅干しを塗ります。
塗りつける量は、タチウオの身の半分くらいが適当です。
5、塗った梅干しの上に、大葉を乗せていきます。
大葉の幅が広いと、魚からははみ出して焦げてしまうので、この1/4サイズがいいんですね。
6、頭の方から、尻尾の方に向かって、くるくるくると巻いて行って、爪楊枝を刺してとめます。
7、水に溶いた小麦粉の衣を、軽くつけて
8、サラダ油で、カラッと揚げると、外は「サクッ!」、中は「フワッ!」とした、絶品料理の完成です。
ひとくちサイズで食べやすく、お酒の肴にもピッタリです。
夏のタチウオに、何故この料理が良いかというと、
身が薄い夏のタチウオは、火が通りやすく、カラッと揚がるんですね。
それに対して、身の分厚くなる秋のタチウオを、この料理にすると、ベタっとした食感になってしまいます。
なので、身が薄くてちょっと物足りないタチウオも、巻くことでボリュームが出て、
梅と大葉の爽やかさが、食欲の落ちる暑い夏にピッタリなこの料理、
一度お試しください!
そうそう、三枚におろした背骨に軽く塩コショーをして、小麦粉をまぶして揚げると
パリッパリの「骨せんべい」の出来上がり。
これも、骨の細い夏のタチウオならではの料理です。
ついでに、そぎ落とした小骨の付いた身も、捨てずに揚げてしまいましょう。
薄く削いだ骨つきの身は、スナック菓子みたいで旨いです。
せっかく釣ってきた夏のタチウオ。
ちょっとひと手間で、美味しく食べつくしてください。