Fishing Riding

sueji.exblog.jp
ブログトップ

カラーグレーディングのお勉強

デジタル一眼レフカメラで、ムービーを撮影するようになって、それまでのビデオカメラに比べて
映画のような雰囲気の絵が撮れるようになりました。

これは、デジタル一眼レフカメラの特性である、大きな撮像素子であったり、浅い被写界深度によって
フィルムで撮影した映画のような質感や、ボケ味を出せるようになったからですね。

デジタル一眼レフカメラでのムービー撮影は、スティル写真撮影と同じく露出を自分で決めて撮影するので、
天候やその時々の光の具合で、映し出される絵の色彩が変わってきます。

そのシーンの絵の、そもそもの色彩は、カメラのホワイトバランスがキチンと調整されているか?とか、
適正なシャッタースピードと、絞りの選択ができているか?などによって決まってきます。

撮影時にそれらの設定が合っていなければ、被写体が「あるべき色」に映らないわけですね。

もし、その「あるべき色」になっていなかったら、「カラーコレクション」という手法を使って、
色彩に補正をかけることができます。

カラーコレクションは、そもそもはこのように、撮影した映像を、本来の色に補正することを
主目的に使われていました。

このカラーコレクションは、最近の映像編集ソフトでは「エフェクト機能」のひとつとして備わっているので、
従来の「あるべき色」に補正する目的から、「自分が表現したい色」に補正する目的で使われるように
なってきています。

そもそも「自分が表現したい色」とは、従来はフィルムの選択や、撮影時の露出補正や、
"光待ち”などの撮影タイミングの選択によって、撮影者が表現するものですが、
パソコンによるノンリニア編集が一般的になり、編集ソフトで簡単に色の調整が出来るようになって、
カラーコレクション機能をちょっと使えば、懐かしいセピア系や、クールな寒色系や、
温かみのある暖色系に、ムービーの色彩を、編集者が自由に変化させることができるようになりました。


ただ、こうしてカラーコレクションで作られた色は、得てして単調で白々しい印象を与える絵になってしまう
ことが多いですね。

例えば、昼間に撮ったシーンに、オレンジ色のカラーコレクションを施して、夕暮れのシーンにしたり、
ブルーグレーのカラーコレクションを施して、夜明け前のシーンにしたりしているテレビドラマがありますね。

では、なぜ編集ソフトのカラーコレクションで作られた色は、白々しいのか?というと、
単一のカラーで、画面全体の色彩を変化させてしまっているからだと思います。

つまり、本来はひとつのシーンの中でも、部分部分によって、光の明るさやコントラストが違うのに、
単純にひとつのカラーを被せてしまうと、とても平面的な薄っぺらい印象のシーンになってしまいます。


そこで最近では、このカラーコレクションの考え方を、もう少し進化させて「カラーグレーディング」という手法が
使われるようになりました。

おそらく、今の映画やCMで、カラーグレーディングを施さない、撮影したままの生の色で公開されている
作品は、ほとんど無いんじゃないかと思います。

では、カラーコレクションと、カラーグレーディングの違いは?というと、
カラーコレクションが、撮影された絵に対して、一面的に色を足すのに対して、
カラーグレーディングは、映像全体のカラーとライティングによる光の関係性を保ったまま、
色彩やトーンなどの映像の調子を、シーンや心情によって変化させることで、
質感を創り出し、表現者の意思を表すことができる技法だと言えます。

具体的に言うと、例えば、ひとつのシーンの奥には黄色みを足し、手前には青みを足すなどして
立体的に色味を変えることで、深みのある映像を作り出すことができます。


このカラーグレーディングも、以前は、専門のスタジオで高価なソフトを使って行わなければならない技法
でしたが、今ではノンリニア編集ソフトのプラグインとして、比較的簡単に扱えるようになりました。


そこで、自分にも扱えそうなカラーグレーディングのプラグインソフトとして、「Magic Bullet Looks」が
気になっています。

このソフトは、RED GIANT社という海外メーカーの製品なので、操作画面の表記は全て英語ですが、
100種類以上のカラーグレーディングのプリセットが用意されていて、撮影した映像に好みのプリセットを
適用させて、自分の表現に合うように、設定をカスタマイズして行くことができます。

先日、デモ版をダウンロードしたので、ちょっと遊んでみましょう。

まずは、何も手を加えない生の映像から切り出した絵がこちらです。
a0155525_15302656.jpg


次に、いわゆる「カラーコレクション」で寒色系に転がした絵がこちら。
a0155525_15315224.jpg


ついでに、暖色系に転がすと…
a0155525_1533440.jpg


どうですか?
単色の色フィルターを被せただけなので、絵に深みが無いですよね。

続いて、カラーグレーディングのプリセットを色々と適用してみます。

まず、ロマンティック系のプリセットを使うと…
a0155525_15352397.jpg

いきなり、昭和初期の香りが漂ってきますねー。
(ただ、もう少し明るさが欲しいなー)


続いて、グリーンパールという名称が付けられたプリセット。
a0155525_15371542.jpg

カチッと引き締まったモノクロームベースなんだけど、きちんとそれぞれの色のトーンが残っています。
(でも、もう少し淡い桜の色が出るように調整をしたいところ。)

あと、ちょっと前に流行ったシフトレンズを使った「ジオラマ風」のプリセットを適用すると、
a0155525_15402244.jpg

こんな感じです。


以上の画像は、単にプリセットをデフォルトのまま適用させただけなので、これをベースに
サンプル画面の下にあるカラーコントロールツールで、自分の作りたい色合いの絵に変えていくわけですね。

とりあえずの、取り掛かりはこのプリセットのアレンジから始めて、最終的にはカラーコントロールツールの
無限の組み合わせで、1シーンの中で部分部分の露出、トーンカーブ、彩度、ディフュージョンなどを調整して
オリジナルの色世界を作り出すって感じですね。

スティル写真の世界では、このような手法は以前からあったと思いますが、
やはり、これが動くムービーの中で、パソコンひとつで作り出せることに楽しさがあります。

そして、このソフトは、ビデオ編集ソフト Adode Premiere Pro CS5.5のプラグインとして使えるので
ワンクリックで立ち上げて、一連の編集の流れの中で使えるのが便利ですね。
a0155525_1614545.jpg

(デモ版を使用しているので、プレビュー画面に「×マーク」が入っています。)


なんか、めっちゃ奥深い世界です。
果たして、こんな世界に、足を踏み入れてしまっていいのかしらん?(笑)
[PR]
by sueji99 | 2012-01-09 16:18 | Movie